セリアック病のためのCBD:メリット・使用方法・摂取量

本稿では、セリアック病に対するCBDオイルの効果、使用方法、適切な摂取量を紹介していきたいと思います。 CBDは、THCと共にカンナビスと呼ばれる植物から抽出される有効成分ですが、その効果は大きく異なります。CBDは、抗炎症作用や鎮痛作用などの様々な効果や効能がある事から広く世界中で認知される様になった有効成分ですが、近年ではセリアック病の様な治療が難しいとされる病気の治療薬としての可能性が模索されています。1 2 3 セリアック病は、腸壁がグルテンに過剰に反応してしまう自己免疫疾患です。4 絨毛に大きな損傷が生じると、小腸が機能不全に陥り、通過する食物から栄養を取り込むことができなくなってしまうのです。その結果、栄養不足に陥り、ひどい場合は骨密度が低下したり、流産のリスクが上がったり、神経障害や不妊症などを引き起こすこともあります。その他の症状としては、下痢、腹部膨満感、異常なガスの発生、疲労感、体重減少、鉄欠乏性貧血、便秘、かゆみを伴う発疹、口内炎などと多岐にわたり、大変厄介です。 また、大人がセリアック病にかかると、関節炎、骨粗しょう症、肝障害、うつ病、発作、疱疹状皮膚炎など、他の疾患を併発してしまうリスクも上がります。5 CBDがセリアック病治療に効果的だと言われる理由 CBDは、カンナビス・サティバ (ヘンプ)と呼ばれる植物から抽出される、天然の化合物です。CBDがセリアック病の治療に効果的だと言われているのは、体内に備わっているエンドカンナビノイドシステムと効果的に相互作用するためです。この機構は、免疫力、睡眠、食欲、痛み、気分などの身体機能を制御し調節する内因性カンナビノイドと、CB1およびCB2カンナビノイド受容体から構成されています。 CBDは、これらの受容体の生成を助け、体の免疫系を高めてくれるため、エンドカンナビノイドシステムの機能改善により、痛み、炎症、食欲不振、胃腸管の炎症など、多くのセリアック病の症状が軽減されるのです。 セリアック病を患う人の中には、食欲不振や体重減少の原因となる吐き気を訴える人も少なくありません。CBDオイルには吐き気を抑える効果もあるため、吐き気が軽減される事により食欲も改善され、結果として代謝を高めることができます。6 また、多くの患者がグルテンフリー(グルテンを含まない)の食事を心がけますが、これは維持するのが非常に難しい事です。2003年に行われた、7 セリアック病とカンナビノイド受容体の関係性について調べた研究では、未治療の患者と1年以上グルテンフリーの食事を続けている患者では、未治療の患者の腸管内のカンナビノイド受容体の方がより広範囲に広がっていることが明らかになりました。この結果から、カンナビノイド受容体を標的にすることで、セリアック病の症状が緩和されるということがわかりました。 CBDはFAAH酵素(脂肪酸アミド加水分解酵素)の阻害剤であることが科学的に明らかになっており、8 このFAAH酵素を阻害することで、CBDは腸内の抗炎症作用を発揮します。 最近の研究によると、セリアック病が神経障害を引き起こす事がわかっていますが、9 CBDには神経保護作用および神経変性作用があるため、神経障害による痛みを効果的に軽減してくれるのです。10 11 また、痛みだけではなく、損傷箇所を修復し、神経の機能を改善する力もあるため、この点もCBDはセリアックの治療薬に適していると言われる理由です。 CBDをセリアック病に使用する方法 CBDオイルは様々な用途で使用する事が出来ます。セリアック病に使用する際に最も一般的とされるのは、舌下摂取です。舌下摂取は、舌の裏にCBDオイルを1滴垂らし、1分ほど吸収されるのを待ってから飲み込む方法です。 また、ペン型のVAPEを使用してCBDを吸引するなどの吸引摂取は、吸収が早く、即座に症状が緩和されるため、セリアック病の症状改善に適しています。体質やその他の疾患が理由でVAPEや舌下での摂取が難しい場合は、CBDカプセルによる摂取がおすすめです。 セリアック病へのCBD使用に関する医学研究 これまで、CBDオイルにはセリアック病に対する潜在的な治療効果がある事を説明してきましたが、残念ながら、この疾患に焦点を当てた研究は限られています。そのため、そうした研究結果を全て集めてもCBDがセリアック病治療に有効であることを完全に示すに足るデータは、現時点では揃っていません。ただ、希望の持てる研究結果もあり、その一つが、2011年の科学雑誌「PLOS One」に掲載された、セリアック病にCBDを使用することで腸の炎症が抑えられるという仮説を証明しようとした、イタリアの学者による研究です。12 この研究では、CBDは腸内の炎症反応を確かに抑制すると結論づけており、この抗炎症反応が、セリアック病によって引き起こされる腸の損傷を防ぐことにつながるとしています。 また、テラモ大学の研究では、エンドカンナビノイドシステムの具体的な特性を分析することを目的として実施されました。13 その結果、完全な結論は出ていないものの、エンドカンナビノイドシステムの機能不全とセリアック病の発症との間に何らかの相関関係があるという事が証明されました。 そうは言っても、セリアック病の症状に対するCBDの治療効果を解明するには、さらなる研究が必要となるでしょう。 CBDの正しい摂取方法 CBDオイルを摂取するにあたり、症状の重さや段階、CBDに対する体の相性や耐性など、事前に押さえておくべき大事なポイントがいくつかあります。また、CBDオイルの副作用はほとんどありませんが、万が一を考えて慎重になる必要があるでしょう。より詳しい情報は、CBDオイルの副作用ガイドをご覧ください。 自分の症状に最適なCBD摂取量を知るためには、テストとして少量を摂取し、症状改善の兆候が見られるかどうかを探る必要があります。CBD摂取量の目安に関しては、ライノフ氏とバーンバウム氏が、著書「CBD: A patient’s guide to Medical Cannabis」の中で提唱しているステップアップ方式を参考にする事をおすすめします。14 このステップアップ方式とは、最初はマイクロドースと呼ばれる低用量摂取から始め、症状に対して効果が現れるまで徐々に摂取量を引き上げていくという方法です。 このステップアップ方式についてのより詳しい説明は、こちらのCBDの摂取量ガイドをご覧ください。 セリアック病に対するCBDオイルの効果 – まとめ 炎症の抑制 痛み(神経障害)の軽減 食欲改善 消化管の炎症軽減 これまで行われた様々な研究が示す通り、CBDオイルがセリアック病に何らかの治療効果を与えるという事は明らかです。CBDオイルは、様々な症状に対して鎮痛作用があるだけでなく、神経系や免疫系の炎症を緩和する事ができます。また、食欲が増進し、睡眠の質も向上します。 これまでの内容からすると、CBDオイルを使用する事で、セリアック病に対する治療効果やその他の効能が得られるという事が自明の様に思えますが、やはり医療の分野で公式に認められるには、さらなる科学的研究を待つ必要がありそうです。それまでの間に家庭療法として今すぐ始められる事といえば、グルテンフリーの食生活です。これは、セリアック病をお持ちの方には、CBD使用云々にかかわらず大事な習慣ですので、出来るだけ心がける様にしてください。 参考文献 Expert Committee on Drug […]

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CBDは健康を増進して筋肉の成長を促進する?

健康やフィットネスに真剣に向き合っている人は、常にどの様なトレーニーングを行えば効果的に望む体型に近づけるかを考えている事でしょう。CBDの人気が高まっている今、カンナビス製品がフィットネスやボディビルの分野で注目されています。昨今は、ビタミン、プロテインと同じ様にカンナビス製品を使って、日々の健康を保とうとするスタンダードが広まりつつあるのです。 なぜCBDが注目されている? CBDをフィットネスに取り入れるメリットを理解するには、CBDが一体どんな成分なのかを知る必要があります。CBDは、カンナビスと呼ばれる植物から抽出される天然の化合物です。ここで、カンナビスは違法な薬物なのでは?と思った方も少なくないと多います。確かに一昔前までは違法としていた国がほとんどでした。しかし、近年の研究で安全性が明らかになった事により、現在は多くの国でカンナビスとその成分であるCBDが合法となっているのです。 CBDが運動にもたらすメリット 筋肉をつける事は、フィットネスや体づくりに励んでいる人にとって最大の課題といえるでしょう。トレーニングを行っていると、ある時点から筋肉の成長が止まってしまうという時期がやってきます。これは誰の体にも起こる自然な現象です。体内には、筋肉を成長させる同化ホルモンと、筋肉を分解する異化ホルモンが存在しますが、抗異化作用のある栄養素を取り入れると、筋肉の回復と筋肉の維持を助け、筋肉の破壊を食い止めることができます。 逆に、体内に異化ホルモンが増えると、筋肉が分解されていってしまうため、筋肉がなかなか成長していかないという問題が起こるのです。この問題は、抗異化作用のあるサプリメントを摂取する事で解決出来ます。CBDは、体内の異化作用を持つホルモンの数を効果的に減らす役割があるため、こうした停滞期を迎える事なく筋肉を成長させ続ける事が出来ます。CBDによって異化作用のあるホルモンが少なくなると、筋肉の分解が早まり、筋肉量を増やすことができるようになるというわけです。 この効果をより感じたい場合は、CBDを摂取している間のカフェイン摂取は控えましょう。カフェインは、異化ホルモンであるコルチゾールの量を増やす作用があるため、異化ホルモンを減らすCBDの効果が相殺されてしまうのです。 CBDがフィットネスと体づくりに役立つ理由 CBDは炎症を抑える 誰でも一度は、辛い運動中に自分を追い込んだ経験があると思います。そのように過剰に無理をすると、筋肉に必要以上の痛みや炎症が生じ、次回の運動に支障をきたしてしまいます。こうした場合、市販の抗炎症薬でごまかしているという人も少なくありませんが、副作用や体への負担があるため、医学的にあまりおすすめできる方法ではありません。 植物由来の有効成分であるCBDは、こうした症状に大きな効果をもたらす事がわかっており、副作用のある医薬品に頼らず、痛みと炎症を抑える事ですぐに運動を再開したいというフィットネス愛好家の間で急速に広まりを見せています。 よく知られている抗炎症薬は、肝臓に負担をかけるため、定期的に服用すると肝臓へのダメージが蓄積していき、ある時深刻な健康問題を来す恐れがあります。 睡眠補助薬としてのCBD 質の良い睡眠をとることは、ダイエットや体づくりにおいて最も重要とされています。十分な休息が取れていないと、体は正常に機能してくれません。身体が正常に機能しないという事は、エネルギー消費や筋肉繊維の修復も正常に行えないという事です。CBDは、睡眠習慣を改善し、質の高い睡眠をとる手助けをしてくれる事が研究で明らかになっています。また、CBDには、市販に出回っている睡眠薬に見られる様な中毒性がないことも、大きなメリットです。 健康にフィットネスや体づくりを続けていきたいと思っている方は、ぜひCBDサプリについて調べる事をおすすめします。まだ十分な研究データが揃っているわけではありませんが、これまでに行われた研究の多くが、CBDを使用することでフィットネスや体づくり、健康面で多くのメリットが得られると結論づけています。 CBDの副作用 現在店頭で手に入るほとんどの市販薬には、副作用があります。そうした市販薬と比較しても、CBDの副作用は極めて少なく、軽微だと言われています。CBDを使用して、疲労感、胃のむかつき、下痢などの症状がまれに見られる事がありますが、ほとんどの人が軽いものだったか、もしくはまったく経験していないと述べています。 まとめ CBDは、フィットネス、ボディビル、体づくり、そして健康全般に素晴らしい効果をもたらしてくれる成分だという事がわかりました。筋肉をつけたい人、ダイエットに成功したい人、スポーツの試合で受けるストレスを和らげたい人、睡眠の質を上げたいという人は、是非CBD製品の購入を検討してみてください。ただし、その他のサプリメントや薬と同様に、摂取を始める前には必ず医師に相談してください。 専門の医師であれば、CBDの安全で適切な摂取量や使用頻度についてアドバイスがもらえるでしょう。また、他に服用している薬がある場合は、相互作用や副作用がないかどうか必ず医師に聞いて確認する様にしてください。

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妊娠とCBD

妊娠中の体は、健康を気遣い過ぎるという事はない、と言われるほどに、小さな影響も受けやすくなっています。これが、妊娠中にCBDを使用する事への賛否が分かれている理由なのかもしれません。妊娠は、女性の一生の中で最も素晴らしい経験の一つではありますが、それと同時に、最も痛く辛い体験でもあります。そしてそれに伴ってさまざまな症状も引き起こされます。代表的な症状には、吐き気、片頭痛などの身体的なものから、不安障害、うつ病なども精神的なもおまで、多岐に渡ります。 妊婦はカンナビスを使用しても大丈夫? 多くの人は、アサ草とヘンプを混同して覚えてしまっています。どちらもカンナビス科の植物であることは間違いありませんが、摂取した時に現れる効果は大きく異なります。その大きな要因は、アサ草に多く含まれる、THCと呼ばれる向精神作用を引き起こす成分にあります。一方ヘンプは、THCの含有量が極めて少ないことに加え、体内のあらゆる機能を調節し、不調を改善してくれるカンナビノイドが多く含まれています。ヘンプから抽出されるCBDには、うつ病をはじめとする多くの病気を改善する効果があることが、研究で明らかになっています。1 また、前述の通りTHCが0.3%以下と極めて少ないため、摂取してもハイになることはなく、安全性の高さからほとんどの国で合法的に使用する事ができ、高齢者やペットにも安心してお使いいただけます。 CBDとは? 原料となるカンナビス・サティバと呼ばれる植物には、2種類の有効な主成分があり、それぞれが独自の治療効果を持っています。その一つであるTHC(テトラヒドロカンナビノール)は、精神活性作用をもたらすカンナビスの成分として有名なカンナビノイドです。一方、CBD(カンナビジオール)は、そうした「ハイ」な状態をもたらす様な作用はなく、その代わりに数え切れないほどの薬効があり、極めて治療効果の高い成分と言われています。カンナビス製品を利用するにあたってTHCの有害性やリスクを知ることは非常に大事ですが、同時に、CBDの様に安全で副作用の少ない成分があることも知る必要があります。カンビナスは危険、といった長年の誤解や誤認識り改善されていかない限り、CBDの本来の力が広く知れ渡っていく将来は期待できないでしょう。 CBDについてわかっていること 妊娠は感動的で喜ばしい出来事ですが、母親と生まれてくる子供の体は脆弱で、さまざまな健康リスクにさらされてしまう時期でもあります。このため、こうした時期における摂取はリスクが大きすぎるという反対の声も少なくありません。また、CBDの妊婦に及ぼす影響についてまだ十分な研究がなされていないため、控えたほうがいいという意見もあります。一方で、実際にCBDを使用しているユーザーからは、CBDによって痛み、不安、うつなどの症状を和らげる事ができたという経験から、妊婦への使用を支持する声が上がっています。彼らの主張としては、CBDはほとんどの処方薬に比べてリスクの少ない天然由来の成分であるため、副作用の大きい医薬品よりもはるかに妊娠中の女性と胎児への影響は少ないという事です。 米国産科婦人科学会(ACOG)は、妊娠中の女性と授乳中の母親にはカンナビス製品の使用を中止するようにと、明確に勧告を発表しています。この勧告の主な理由としては、最近の研究によりカンナビスの成分が胎児の脳内で神経細胞の発達を促し、脳の経路を構築するエンドカンナビノイドシステムに悪影響を及ぼすことが明らかになったからだとしています。モンテフィオーレ病院ファミリーケアセンターのメディカルディレクターであるタリサ・L・バーニー博士は、CBDの健康上の利点は疑いようがなく、妊婦に対しても同じ様に高い治療効果が認められている、それにも関わらず、米国産科婦人科学会がCBDの使用を推奨していないのは、政府の規制が十分になされていないからだ、と主張しています。その一方で、決められた用量や処方を定める事が難しいCBDは、不適切な量の摂取をするリスクがあるとも述べています。 妊娠に対するエンドカンナビノイドシステムの役割 エンドカンナビノイドシステムは、胎児の脳内でニューロンを作り、脳のネットワークを構築します。このように、胚の段階から出産直前まで重要な役割を果たしているエンドカンナビノイドですが、出産結果の面においてマイナスに働いたという事例は一つも報告されていません。また、妊娠中のカンナビス使用が早産や流産、または大きな身体的異常をもたらすことはないという事が、研究で明らかになっています。 妊娠中にCBDを摂取する上での注意点 本章では、すでに医療機関に相談した上で妊娠中にCBDを摂取することを決めている方のために、いくつか押さえておくべきポイントをご紹介します。 CBDには、微量でも胎児に影響を与える恐れのあるTHCやその他の有害物質が混入している可能性はゼロではありません。そのため、体内への吸収率が高いVAPEなどによる吸入摂取は避けたほうがいいでしょう。 最も安全にCBD摂取する方法としては、スポイト付きオイル、ペースト状、カプセル、ローションなどの形で提供されている純度100%のCBDオイルを、それぞれの用法で摂取・使用する事です。また、体や筋肉に痛みがある場合は、CBDのクリームやオイル、ローションなどを患部に塗る事で素早く痛みを緩和する事ができます。 妊娠とCBDに関する研究で明らかになったこと 妊娠中のCBD使用に関する研究はそれほど多くはありませんが、いくつかの研究で、重要な事実が明らかになりました。そのうちの一つに、CBDが妊娠中の母親の早産を抑止するのに有効であることを示した研究があります。2 2016年、シャンヤ・コナ博士は、赤ちゃんの産後発育の合併症にカンナビスがどう影響を及ぼすのかを調べた複数の研究を行いました。その結果、シャンヤ博士率いる研究チームは、カンナビスを単独で使用しても、出産時の合併症や発達上の問題が起こらないことを明らかにしました。 また、1980年代にメラニー・ドレーハー博士によって行われた2つの縦断研究では、胎内でカンナビス成分を取り入れた胎児は、生後3日目と5歳になってからの検査の両方で、結果に大きな差が見られなかった事がわかりました。 メディカル・マリファナ社の社長であり、この分野の研究者であるスチュアート・タイタス博士は、妊娠中にCBDオイルを使用した女性を調査したところ、これまで有力とされていた一般的な意見に反して、生まれた子供達は極めて健康で元気に成長していると語っています。 まとめ 妊娠中にCBDを使用する事で、妊婦と胎児に悪影響を及ぼすことはない事を示した研究はありますが、使用を決断する前に、この問題に詳しい医療機関や専門医に相談することを強くお勧めします。また、現段階では妊娠中のCBDオイルの使用に関する臨床研究データは十分に揃っておりません。そのため、妊娠中の場合は専門家の指導を受けるか、CBDの使用を控えましょう。 参考文献 Kogan, N. and Mechoulam, R. (2007). Cannabinoids in health and disease. Dialogues in Clinical Neuroscience, 9(4), pp.413–430. [↩]Houlihan, D., Dennedy, M. and Morrison, J. (2010). Effects of abnormal cannabidiol on oxytocin-induced myometrial contractility. REPRODUCTION, […]

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本態性振戦のためのCBD

当サイトではこれまで、CBDが有効に働く疾患として、多発性硬化症、パーキンソン病、薬物離脱症などを取り上げてきましたが、同じ神経系に異常をもたらす疾患である本態性振戦には、CBDはどの様に作用するのでしょうか。 本態性振戦は、この疾患を患っている家族から遺伝的に受け継がれるか、前述した疾患の副症状として現れる事がわかっています。 CBDは、これらの本態性振戦の原因となる多発性硬化症、パーキンソン病、薬物離脱症に対して大きな治療効果を発揮する事が医学的に証明されているため、本態性振戦に対しても何らかの改善が期待されています。本稿では、CBDと本態性振戦について詳しくご紹介いたします。 CBDは、カンナビス植物(別名ヘンプ)由来のカンナビノイドで、向精神作用を持たないため、使用に伴うめまいや多幸感などの好ましくない作用を引き起こす事がありません。治療効果は多岐にわたりますが、毒性は非常に少なく副作用が起こる事も稀です。 ただ、軽度の振戦であれば日常生活に影響はありませんが、重度の場合、日々行う体の動作が思う様に出来なくなり、様々な場面で不都合を生じてしまうので、診断は慎重に行われる必要があります。 前述したように、振戦はさまざまな部位に現れるため、震え方も多様です。本態性振戦の最も一般的な症状は、以下の通りです。 文字を書いたり、物を持ったり、手を使う際に起こる、手や腕の顕著な震え 頭や首が上下左右に揺れるなどの不随意運動 まぶたの痙攣 舌や声帯の震えにより、話すときに声が震えて聞こえる 体幹、脚、足の震えにおける異常な歩行やバランス感覚の喪失 本態性振戦は、通常、40歳以上に見られる症状で、家族内で発症するケースが多いため、遺伝が大きく関係していると言われています。罹患した人の家族に本態性振戦の患者がいる場合は 「家族性振戦」 と呼ばれ、発症した両親の子供は50%の確率で本態性振戦の遺伝子を引き継ぐと言われています。 従来の本態性振戦の治療法 本態性振戦を100%完治させる治療法は未だ確立されていませんが、医療機関ではいくつかのアプローチで治療が行われています。例えば、抗てんかん薬、脳深部刺激(DBS)として知られる脳外科手術、視床の組織を破壊することを目的とした超音波MRI治療などが主な治療法です。 これらの治療法は一定の成果を上げてはいますが、侵襲性があり費用も高いため、さまざまな面でリスクの大きい治療法といえるでしょう。 CBDと本態性振戦 – 代替療法 CBDオイルは、本態性振戦のためのより侵襲性の低い治療薬として、大きな可能性を秘めています。カンナビノイドであるCBDの筋肉弛緩作用、発作を鎮める作用については、すでに数多くの医学研究により広く認知される様になりましたが、1 CBDが持つ治療効果の本質は、エンドカンナビノイドシステム(ECS)との相互作用にあります。エンドカンナビノイド受容体を軸として働くECSは、痛み、空腹感、感情など、私たちのあらゆる身体機能が正常に保たれる様に常に調節しています。つまり、体内に問題が起こった時に治癒プロセスを開始させるかどうかの手綱を握っているのが、このECSなのです。CBDは、この治癒プロセスを主導するエンドカンナビノイドの生産量を増大させるため、治癒プロセスが促進されます。 関連記事: エンドカンナビノイドシステム CBDオイルを本態性振戦に使用すると、オイルに含まれるCBDを含めた多くのカンナビノイドが、筋肉の動きをつかさどるエンドカンナビノイド受容体と相互作用し、ECSの調節機能を活性化させます。この受容体は、脳と体全体に分布しており、CBDオイルがこれらの受容体に作用することで、リラックス効果、抗炎症作用、震えの軽減が期待できます。とある研究では、CBDが神経保護剤として効果的に作用し、上記の効果が証明されました。2 近年のCBD市場の拡大に伴い、過去に発表された目覚ましい研究結果が再び注目を集め始めています。こうした流れもあり、CBDが本態性振戦の治療法として正式に認められる事への期待が高まっています。 さらに、この流れに拍車をかける研究が、カリフォルニア大学サンディエゴ校で新たに開始されました。このFDA(米食品医薬品局)の承認を得ている正式な研究では、3 CBDとTHCの本態性振戦への効果を本格的に検証する試験が行われ、2019年末に結果が発表されました。この臨床試験の主任であるフェッター・ナハブ博士は、これまで解明されてこなかった本態性振戦の適切な治療法がCBDによって成し得るかもしれないとし、非常に大きな情熱を注いで研究に取り組んでいます。彼女はこの疾患について以下の様にコメントしています。「本態性振戦の患者は、パーキンソン病の10倍近くいると言われていますが、誰もこの疾患についてはっきりとした説明ができません。それほど開拓が進んでいない分野において、根本的な治療法が見つかる可能性が見えてきたということは、とても大きな医学進歩になります」 本態性振戦のためのCBD:摂取方法 本態性振戦を治療・改善するためにCBDを使用する場合、二通りの摂取方法があります。CBDに対する体の反応は人それぞれ異なりますので、今からご紹介する方法の中から、自分の体にあった最善の方法を見つけて安全に使用しましょう。 CBDオイルの舌下摂取CBDオイルは通常、スポイト付きの小さなボトルに入っています。使用する際は、数滴を舌の裏に垂らし、1分ほど含んだままにしてオイルを体内に吸収させます。 CBDリキッドの吸引摂取CBDのEリキッドによる摂取は、本質的振戦の自然療法の中でも最も手軽で人気が高い方法です。摂取すると、CBDの蒸気が肺に入り、より速やかに血流に吸収され、リラックス効果を発揮します。 CBDを摂取するにあたって、どの人にとっても最適な摂取方法というものはありません。なぜなら前述の通り、CBDに対する反応は人それぞれで、自分の体の声に常に耳を傾け、自分にだけの最適な量を見極める必要があるからです。 本サイトでは『CBD: A Patient’s Guide To Medical Cannabis(レオナルド・ライノフ著)』というCBDの用法・用量に関する本で紹介されているステップアップ方式を常に推奨しています。4 この方式では、1日に1滴の摂取を三回に分けるといった低用量摂取から始めて、3日ごとに徐々に量を増やし、この量が1日3滴を三回になるまで続けていく中で、体がどの様に反応するかを丁寧に観察する、という摂取方法を推奨しています。軽度の症状であれば、だいたい1回につき25mgが十分な摂取量と言われています。 関連記事:CBDの摂取量ガイド CBDを使用した本態性振戦患者の体験談 ネット上では、本態性振戦に対するCBDの効果について語られている体験談が、多く見つかります。あるCBDショップでは、提供したCBD製品によって症状改善が見られたユーザーの声が取り上げられています。この女性は、CBD製品のおかげで本態性振戦とポルフィリン症の症状に悩まされる事がなくなったと話しています。 まとめ これまでのことから、CBDは本態性振戦の治療に極めて効果的だという事がわかりました。CBDを使用する事により、けいれんが大幅に減少し、通常の日常生活を送ることができる様になったという事例も、数多く報告されています。摂取方法は、CBDオイルの経口摂取とEリキッドの吸引摂取がより高い効果を期待できると言われています。コスト面でも、他の処方薬や手術に比べ、はるかに安価です。また、天然成分なため副作用も極めて少ないため、日々の生活を改善するための治療薬として、安全に使用する事ができます。 本態性振戦は、必ずしも治療が必要な疾患ではありません。しかし、本態性振戦が生活に深刻な影響を与えるほど重度な場合には、代替手段を用いて症状を抑える必要があるかもしれません。 参考文献 Gloss D und Vickrey B. „Cannabinoids for epilepsy.“ PubMed […]

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顎関節症(TMJ)治療としてのCBD

痛みは人を衰弱させるものです。特に、顎関節症(TMJ)のような不快な痛みを伴う障害は、人生に大きな影響を与えてしまうほど深刻です。CBD(カンナビジオール)は、顎関節症をはじめとする様々な痛みを抑制する効果があり、ここ数年間で急速に認知と研究が進んでいる成分です。近年では、その有効性を裏付ける医学的研究が数多く行われてきています。また、使い安さ、向精神作用を持たない安全性の高さ、価格の手頃さ、合法性があることなどの理由から、このCBDを顎関節症などの治療に活用する人が増えています。 顎関節症の原因 顎関節症の原因は主に、関節炎を含む結合組織系の障害と、顎の損傷です。 特に、関節リウマチや変形性関節症などの関節炎と共に発症する事が多く、この場合には顎関節症の二次疾患として現れます。関節リウマチは、骨の関節を覆っている軟骨を標的とする関節炎です。 変形性関節症に関しては、より長い期間にわたって影響を与える事を除けば、軟骨がすり減るなどの特徴が顎関節症と酷似しています。 また、スポーツや暴力、事故などによる顎へのダメージも、顎関節症を引き起こす原因となります。さらには、習慣的な激しい歯ぎしりや食いしばりが顎関節症につながるという研究データもあります。 顎関節症の症状 顎関節症を患うと現れる最初のサインは、顎とその周辺の痛みです。耳、口、顔などの顎以外の部分が痛む場合もあり、顎関節症特有の頭痛が副症状として現れる事があります。 痛みの傾向としては、慢性的に続く場合や、食事の際などに顎を積極的に使ったとき鋭い痛みが走る場合があるなどさまざまですが、どの場合も基本的には噛む事が困難になっていきます。 また、咬筋痙攣も症状の一つです。咬筋痙攣自体は治療可能ですが、顎の筋肉が痙攣して痛むため、口を使うことがさらに困難になります。 顎関節症が及ぼす影響 顎関節症が日常生活に与える影響は、決して少なくありません。咬筋痙攣や痛みがある場合、食べたり飲んだりする事が難しくなり、さらに進行すると話す事にも支障をきたすため、社会生活で苦しい思いをする場面が増えるでしょう。 顎関節症が頭痛などの症状として現れている場合には、仕事など集中力を要する場面で影響を及ぼす可能性があります。また、顎関節症は見た目にも影響を与えます。患部を庇うために片側の筋肉だけ使い続けると、その側の筋肉だけが発達してしまうため、左右非対称に見えてしまうのです。 顎関節症ためのCBD 現在、家庭治療で顎関節症を治そうと考えている人の間で、CBD製品が大きな注目を集めています。製品のタイプは、CBDクリームやCBDオイルなど多様ですが、ほとんどの人は、より高濃度のCBDを含有しているオイルベースの製品を選びます。中濃度の1500mg(濃度15%)のCBDオイルボトルは、繰り返し起こる鈍痛を軽減するのに役立ちます。より強い痛みであれば、2500mg入りのCBDオイルボトルも販売されています。 慢性的な顎関節症やその他の痛みがあり、これまでCBD製品を使用したことがない人は、低〜中レベルの濃度のCBD製品を試してみる事をお勧めします。ただ、CBDに対する反応は体質や体内環境によって大きく変わる可能性があるため、まずは十分安全といえる少量の摂取から始めるといいかもしれません。濃度が低すぎて効き目を感じられなければ、より濃い濃度の製品に切り替えればいいだけですが、濃度が高すぎてしまうと効きすぎて健康を害してしまう恐れがあるので危険です。私たちは、レオナルド・ライノフ氏の著書である「CBD – A Patient’s Guide to Cannabis」の中で提唱している、ステップアップ方式を推奨しています。CBDの使用量についてより詳しく知りたい方は、当ウェブサイトの摂取量に関する記事をお読みください。 関連記事:CBDの摂取ガイド CBDを顎関節症の治療に使用する方法 CBDオイルとCBDクリームは、顎関節症治療としてCBDを使用する上で最も適しているタイプの製品です。では、どのように使用すればいいのでしょうか? CBDクリームは、スキンローションやクリームにCBDエキスが配合されている、シンプルな製品ですが、このタイプの製品は顎関節症だけでなくその他の多くの皮膚で起こる痛みに対して、大きな効果を発揮します。 使用方法としては、痛みのある患部に、保湿剤を塗るようにマッサージしながら塗ります。クリームの主な利点は、高い即効性と特定の部位に直接塗布できる利便性です。 CBDと心臓病薬 CBDは、心臓病薬の効果を大幅に低下させてしまう可能性がありますので、心臓病の薬を服用している方は、CBDを摂取する前に必ずかかりつけの医師に相談するようにしてください。 最後にCBDオイルの使用方法についてですが、一番一般的な方法は舌の裏に垂らす舌下摂取です。スポイトで数滴垂らしてから、飲み込む前に1分ほど口に含んで体内に吸収されるのを待ちましょう。この方法での適切なCBD摂取量は、体質やそのオイルの濃度、また体重によって異なるため、前述したステップアップ方式で最適な摂取量を調べる事をお勧めします。 関連記事:CBDと薬物の相互作用 CBDが顎関節症を改善するメカニズム CBDは、一言で言うと痛みのメッセージが脳に伝わらないようにする、神経遮断薬の様なものです。 人の体には、エンドカンナビノイドシステムという機構が備わっています。この機構の存在が知られる様になったのは、研究者たちが30年前にラットの体内にエンドカンナビノイド受容体を発見した事がきっかけでした。その後、さらなる研究によってエンドカンナビノイド受容体が人の体内にも存在し、カンナビノイドと相互作用できる環境が備わっている事が明らかになりました。 人の脳には、痛みを感じるための受容体を含む、様々な受容体があり、エンドカンナビノイドはその受容体を刺激したり遮断したりして管理する働きを持っています。CBDが顎関節症の痛みを軽減するのは、この働きによって痛みが遮断されるためです。 その他にもCBDが顎関節症の治療薬として期待されている理由があります。それはCBDの強力な抗炎症作用です。顎関節症の痛みと一見無関係の様に思えますが、実は顎関節症を発症すると、顎関節の周りの軟骨が摩耗したり劣化する事で関節の骨同士が接触してしまい、その結果周囲がダメージを負って炎症を起こすため、痛みをさらに悪化させているのです。したがって、関節の炎症を抑えることは、顎関節の痛みやその他の炎症性の痛みを和らげる事につながるのです。 また、CBDには関節炎治療としてだけでなく、予防薬としての利用価値がある事が研究で証明されています。関節炎の一種で、骨粗鬆症という、骨がもろくなってしまう病気がありますが、CBD製品は骨を強化し、骨折からの回復を助けるという非常に有力な研究結果があるため、この疾患に対しても大きな治療効果を発揮します。 予防は治療に勝るとは言ったもので、高齢者や家族に関節炎の兆候が見られる場合、CBD製品を定期的に摂取することで、この不快な痛みを伴う疾患を予防する事ができるかもしれません。 関連記事:予防薬としてのCBD CBDについての医学的研究 ここ数年の間に、顎関節症の鎮痛薬としてCBDが効果的だとする研究が多く発表されました。CBDは、痛み、不安、吐き気、発作などの多様な症状の緩和に効果があることがすでにわかっており、さらに驚くべき事に、がんに対しても治療効果があるという研究結果も存在します。 2011年に刊行されたBritish Journal of Pharmacology誌には、CBDが吐き気や嘔吐を和らげるとする研究結果が掲載されました。1 さらに、Epilepsy Behaviour誌に掲載された、2013年スタンフォード大学で行われた研究では、CBDが子供の発作の発生率を減少させるという非常に希望が持てる結果を残し、参加した子供とその家族に大きな利益をもたらしました。2 顎関節症に関しても、CBDの治療効果を調べた医学的研究は数多くあり、それらの研究結果によってより多くの人がCBDを顎関節症治療に活用したいと思う様になりました。2012年にJournal of Experimental Medicine誌で掲載された研究では、CBDは脳への痛みの信号を効果的に遮断するため、神経経路の遮断剤として働くと報告しています。3 この研究結果は、顎関節症の治療にCBDの使用を検討している人、特に長期的で恒常的な痛みと闘っている人にとって、大きな希望を与えるものでした。 また、European Journal of […]

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アルツハイマー病のためのCBD

ここ数十年間の研究により、ヘンプには人体に良い影響を与える成分が多く含まれていることが分かってきました。この植物の最大の利点は、他のカンナビスよりもTHCなどの精神作用をもたらす成分の含有量が少ない代わりに、体内のあらゆる機能を調節し、不調を改善してくれるカンナビノイドが多く含まれていることです。 いくつかの研究では、カンナビスに含まれるCBDがアルツハイマー病を含む多くの病気に対して治療効果がある事が明らかになっています。12 WHO(世界保健機関)3 によると、アルツハイマー病は認知症の中でも最も一般的で、認知症患者の全体の60〜70%がこのアルツハイマー病を患っていると言われています。現在も世界中で約5,000万人が認知症に悩まされており、毎年1000万人近くが新たにこの疾患に発症しています。 後期になると、家族やヘルパーによる全面的なケアが必要になる場合がほとんどです。アルツハイマー病には投薬治療が行われますが、これはあくまで症状を緩和させるためのものであり、病状を回復させたり、進行を遅らせたりする効果はありません。 CBDがアルツハイマー病の症状を改善するメカニズム CBDのような植物由来のカンナビノイドは、体内で生成される内因性カンナビノイドと同様にいくつかの受容体を活性化させ、神経症状の発症を食い止める働きがあると言われています。その証拠に、ある臨床研究において、CBDが食欲不振や睡眠パターンの乱れなどの、アルツハイマー病で起こる特有の行動障害を改善したという結果が報告されています。4 アルツハイマー病の治療にCBDを使用するメリットは? カンナビジオール(CBD)は、カンナビス植物から抽出された天然の成分なため、一般的に処方されるアルツハイマー病の治療薬よりも健康リスクや副作用が少なく、安心して使用する事ができます。また、CBDはカンナビスから作られていますが、同じカンナビスの成分であるTHCのような酩酊感をもたらすことはありません。この章では、CBDがアルツハイマー病にもたらすメリットをいくつかご紹介します。 アルツハイマー病におけるエンドカンナビノイドシステムの役割 アルツハイマー病において重要なサインとなるのが、脳にできる老人斑と呼ばれるシミです。これが患者の記憶喪失、神経細胞の死滅、行動変化の原因となります。 ひとたび記憶プロセスや神経細胞同士のコミュニケーション不能になってしまうと、記憶形成や思い出すこと、また話すことなどの簡単な作業が難しくなっていきます。 ここ数年間で多くの医師や研究者が、エンドカンナビノイドシステム(ECS)がアルツハイマー病などの神経変性疾患に重要な役割を果たしている事を裏付ける研究結果を発表しています。また、彼らはエンドカンナビノイドシステムの主軸となる2つの受容体のうちの一つであるCB1受容体が、大脳基底核、海馬、大脳皮質、小脳などさまざまな部位に分布していることも発見しました。これらの部位は、記憶や学習に関連しており、アルツハイマー病の初期段階で影響を受ける箇所と重なります。5 アルツハイマー病治療のためのCBD摂取方法 CBD製品には現在さまざまなタイプがあり、アルツハイマー病治療のためにCBDを使用する需要は急速に拡大しています。この章では、アルツハイマー病治療でCBDを使用する方法をご紹介します。 まず、これまでの研究により、THCと高濃度のCBDの両方を使用する事でより高い治療効果が得られることが示されています。ただし、THCを使用する場合は、向精神作用を避けるために摂取量を少なくすることをお勧めします(現在日本ではTHCは違法とされています)が、残念なことにTHCは、多くの国で非合法の成分とされているため、使用が難しい場合もあります。フルスペクトラムのヘンプオイルは通常微量のTHCを含んでいますが、日本で入手可能な製品からはTHCが除去されていますので、向精神作用を伴わずに症状を和らげたい方に最適な製品です。CBDをアルツハイマー病患者が摂取する場合、最も簡単で効果が現れやすい方法は経口摂取です。その中でも、CBDオイルを舌の裏に垂らす舌下摂取が最も一般的と言われています。 アルツハイマー病治療のためのCBD摂取量 最適な摂取量を知るためには、さまざまな要素を考慮に入れる必要があります。その中には、個人的な事情、病気の度合いと段階の違いも含まれます。 これらが違えば、CBDに対する反応も人それぞれだということを認識しておくことが大切です。CBDの最適な摂取量は、ブランドや種類によって大きく異なるために混乱を招く事がありますが、基本的にはCBDの含有率によって適切な用量が決まります。 自分にとって最適な摂取量を知る方法に関しては、ライノフ氏とバーンバウム氏による『CBD:A Patient’s Guide to Medicinal Cannabis』という本で紹介されているステップアップ方式がおすすめです。6 この本では、アルツハイマー病にはマイクロドーズ(低用量摂取)から始めることを推奨しています。理想的な摂取量やより詳しい情報については、CBDの摂取量に関する記事をご覧ください。 アルツハイマー病へのCBDの効果を調べた研究 2016年に大きな注目が集まる中で行われた小規模研究では、アルツハイマー病治療にCBDを使用することの効果や安全性が徹底的に調べられました。実験では、採用した10人の患者グループに4週間CBDを使用してもらい、データを測定しました。その結果、患者のNPI(神経精神医学インベントリー)のスコアが44.3から12.910へと大幅に減少しました。7 これは、攻撃性、焦燥感、妄想、無気力、過敏性が著しく減少している事を意味しています。この研究結果は非常に大きな発見だとして注目を浴び、その後大規模な臨床研究が行われることとなりました。 2011年、アメリカの研究グループは、アルツハイマー病にかかったマウスにおけるCBDの影響を調査しました。その結果、CBDにはアルツハイマー病に対する治療効果があり、治療に応用できる有望な成分である事が明らかとなりました。また、神経細胞が減っていくと認知機能の低下につながると言われていますが、CBDはその神経細胞の生成や成長を促す役割があることもわかりました。8 参考文献 Kogan, Natalya M., and Raphael Mechoulam. “Cannabinoids in health and disease.” Dialogues in clinical neuroscience 9.4 (2007): 413. [↩]Iuvone, T., Esposito, G., De Filippis, […]

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月経前症候群(PMS)を改善するCBD

月経前症候群(PMS)は、女性の日常生活を大きく変えてしまうほどに不快な症状がいくつも重なって起こる、身体的・精神的不調の事です。PMSは生理前に現れ、数日にわたって症状が持続します。この毎月やってくる不快感を和らげるためには、PMSに対する理解を深め、自分に合った効果的な改善法方を知る必要があります。 月経前症候群(PMS)とは? PMSとは、排卵後から月経前までの期間に女性の体に現れる諸症状全体を指す言葉で、症状には身体的・精神的なものがあり、程度やどの症状が現れるかは体質や月経周期で大きく異なる場合があります。 PMSの症状はさまざまですが、どの女性にも共通して起こるイライラ感や不快感は耐えがたいものがあり、PMSを改善したいと思う女性のほとんどが、この症状を解消するための方法を探している事でしょう。PMSは、重症化すると月経前不快気分障害(PMDD)と呼ばれるようになり、ここまで症状が悪化すると、心身ともに衰弱するようになり、日常生活が正常に送れなくなってしまう場合もあります。 PMDDは、PSMと同様に女性の月経周期に合わせて症状が現れる障害で、女性の体に周期的に訪れるホルモンバランスの変動によって気分が極めて不安定になります。では、PMSの症状にはどういったものがあるかを具体的に見てみましょう。 月経前症候群の症状 PMSの症状は多岐にわたり、その種類は150にものぼります。現れる症状の種類や程度はその人の体質によって異なり、また、生活習慣やストレスレベルによっても変化します。 米国産科婦人科学会(ACOG)の発表では、約85%の女性が月経前に1つ以上の症状に見舞われ、その程度も軽度から極めて重度なものまでさまざまだとしています。 PMSの症状は通常、月経が始まる1、2週間前に現れ出しますが、これはその時女性の体内で起こっている変化の結果だと言えます。この期間中、多くの女性は軽いけいれんや一日中継続する全身の倦怠感などの比較的軽度な症状に悩まされ、 精神面では感情の起伏が激しくなり、イライラや怒りをコントロールする事が難しくなります。けいれんが起こる場合、頭痛、乳房の腫れや圧痛(押すと痛い状態)、そして便秘・下痢・嘔吐などの消化器系の障害、さらには性欲の減退なども併せて見られる場合があります。 また、その他の症状としては、特定の食べ物への食欲、疲労感、腰の痛みと不快感、吹き出物、不眠、集中力低下、うつ、不安感、体重増加などがあります。 PMSの症状を効果的に改善するCBD カンナビジオールオイル(CBD)は、多くの優れた薬効がある優れた有効成分であることが数々の研究で明らかになっており、非常に多くの病気や体の不調を治す力があることから、近年急激に人気が高まっています。そしてほとんどの女性が経験するPMSも、CBDオイルで大幅な改善が見込める疾患の一つなのです。 カンナビジオールは、カンナビスに含まれるカンナビノイドの一つで、テトラヒドロカンナビノール(THC)とは異なり不必要に多幸感をもたらす事はありませんが、不安障害やうつ病の治療に有効であることがいくつかの研究で示されています。1 関連記事:不安症のためのCBD & うつ病のためのCBD 薬理学に長く携わってきた医師であり、カンナビス治療研究への資金提供を目的とした非営利団体「The Pot Book」の創立者でもあるジュリー・ホーランド氏はCBDの効能についてこう語ります。「カンナビジオールは、生理前に生じるイライラや不快感を大幅に軽減してくれるだけでなく、2 抗不安作用や筋弛緩作用によって肉体的・精神的な緊張も緩和してくれます。また、生理がやってきた際の月経痛にも効果があります。」 CBDとカンナビスに関しては、特定の疾患への治療効果を調べる研究や、身体・精神・感情あらゆる側面での健康増進の可能性を調べる研究、医療応用の可能性を調べる研究など、さまざまな角度からの研究が行われており、PMSに対する治療効果についても同様に調査が進められています。 PMSのためのCBD: 症状別の使用方法 以上のことから、CBDオイルは、PMSの諸症状を軽減するのに極めて有効であり、様々な分野の研究者やCBD製品の利用者から大きな支持を得ている、前途有望な次世代の天然の万能薬であると言ってもいいでしょう。 CBDオイルの正しい飲み方を知りたい方は「飲み方ガイド」をご一読ください。 参考文献 R. de Mello Schier, Alexandre; P. de Oliveira Ribeiro, Natalia; S. Coutinho, Danielle; Machado, Sergio; Arias-Carrion, Oscar; A. Crippa, Jose; W. Zuardi, Antonio; E. Nardi, Antonio und C. Silva, Adriana. „Antidepressant-Like and Anxiolytic-Like Effects of Cannabidiol: […]

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ニキビとニキビ痕のためのCBD

ニキビ痕は、最もニキビが出来やすいと言われる10代だけでなく、あらゆる世代にとって悩ましい肌のトラブルです。人によっては、軽いものから重度のものまで、何十年もニキビが出来ては治りを繰り返し、結果として一生残る傷跡を作ってしまうことも少なくありません。痕が残らないようにレーザーなどの高価な治療法を選ぶ人もいますが、現在では天然の万能薬とも評されるカンナビジオールが配合されたCBDオイルに注目する人も増えています。 

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子宮内膜症の痛みを抑えるCBD

まざまで、数多くの症状を緩和することができる汎用性の高さから、多くの消費者や研究者から高い評価を得ています。特に子宮内膜症のような、根本的な治療法や原因がはっきりと分かっていない疾患へのアプローチとして注目を集めています。

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CBDオイル – レストレスレッグス症候群(RLS)を自然に治癒する方法

レストレスレッグス症候群のためのCBD 現在、RLSに対する決定的な治療法は見つかっておらず、一般的な医療機関で治療を受けると、ドパミン作動薬や鉄分を補う薬、抗てんかん薬、睡眠薬などを処方されるだけというケースがほとんどでしょう。こうした薬には何らかの副作用がある上に、服用したにもかかわらず症状の改善が見られない場合も多々あります。 残念なことに、CBDオイルにもこの疾患を治す力はありません。しかし、悪化した症状を抑えてより快適な生活を送る手助けをしてくれる強い味方になってくれるでしょう。CBDオイルには体を落ち着けるリラックス効果があるため、RLSで乱れてしまっている睡眠の質を上げてくれます。また、ドーパミンの量が増加し、脳内の神経伝達物質が活性化することにより、不随意運動が大幅に減少し、不安感が改善されます。同じ神経疾患であるパーキンソン病も、CBDオイルを摂取することによる症状改善が確認されています。 CBDオイルのRLSに与える影響を調べた研究 フランスのボルドーにある臨床神経科学研究所で行われた小規模な研究では、試験に参加した患者の83%に、RLSの症状改善が確認されたと報告しています。1 レストレスレッグス症候群に対する自然療法の有効性を調べたこの研究の参加者は、わずか6人と、統計学的に信憑性を持たせるには少ない人数ではあったものの、参加した6人のうち5人が症状の改善を実感したという事実は、CBDがこの疾患に有効であることを証明する大きな一歩となりました。 カンナビスと痛み・睡眠の関連性を調べた別の研究では、カンナビスが睡眠を補助する役割を持っており、RLSもこの植物の抽出液によって症状を緩和できる疾患であると説明されています。2 睡眠不足はレストレスレッグス症候群の症状の中でも最も苦しいものの一つなので、CBDの力でこの悩ましい症状が改善されるというのは、RLSを患う人にとっては大きな希望に違いないでしょう。 レストレスレッグス症候群に向けたCBDの使用方法 レストレスレッグス症候群に有効なCBDオイルの摂取方法はいくつかありますが、効き目や使い心地は人それぞれなので、自分に合った最適な摂取方法を選ぶといいでしょう。 線維筋痛症とレストレスレッグス症候群に対する自然療法 最近の調査で、線維筋痛症の女性の約30%がRLSを併発している事がわかっています。最近の調査で、線維筋痛症の女性の約30%がRLSを併発している事がわかっています。また、レストレスレッグス症候群を患っている人がCBDオイルを摂取する事で、筋肉の慢性的な痛み、うつ症状、集中力欠如、そして線維筋痛症が大幅に改善すると言われています。線維筋痛症にCBDオイル使用することの科学的研究は現時点ではほとんど行われていませんが、実際に使用してかなり症状が改善されたという報告があり、。症状を抑えるための効果的な方法として、RLS患者の間で人気が高まっています CBDと線維筋痛症については、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。 まとめ – CBDオイルはレストレスレッグス症候群の治療に有効か? これまでの内容を考慮すると、CBDはレストレスレッグス症候群の治療に適していると言えるでしょう。CBDを摂取することにより、足を動かしたいという衝動が大幅に減り、夜に静かに眠る事ができるようになったという事例が数多く報告されました。また、経口摂取するオイルタイプでも塗布するクリームタイプでも、すでに多くの人がその確かな効果を実感できているため、安心して使用する事ができます。これは、従来の副作用の強い化学合成医薬品の投薬治療とは違って、副作用も少なく天然成分のみで作られている、比較的安価で安全な症状改善法です。 レストレスレッグス症候群は、必ずしも治療が必要な疾患ではありません。しかし、そのままにしておくと生活に大きな支障がでてしまいますので、運動や食生活の改善、減量などで根本から改善したり、CBDのような天然成分で症状を緩和する道を検討してみてはいかがでしょうか。 参考文献 Shannon, Scott, and Janet Opila-Lehman. „Effectiveness of cannabidiol oil for pediatric anxiety and insomnia as part of posttraumatic stress disorder: a case report.“ The Permanente Journal 20.4 (2016): 108 [↩] Russo EB, Guy GW und Robson […]

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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)のためのCBD

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は多岐にわたる悩ましい症状を伴う疾患ですが、カンナビジオール(CBD)と呼ばれるカンナビスから抽出される有効成分がそれらの症状改善の手助けをしてくれます。 CBDには、不安、痛み、PMS、不眠症などを軽減する効果があります。また、原料となるアサ草とは違って向精神作用を持たないため、PCOSの症状を治療するのに有効だとされており、症状に苦しむ人の気分をリラックスさせ、睡眠の質を向上させます。 また、生理不順は不妊の原因にもなるので、PCOSになった女性が不妊に悩まされることも多く、卵巣に液体が溜まることで、卵の定期的な放出が阻害されてしまうことがあります。PCOSを発病した人の体内では、身体に取り入れた食べ物がエネルギーへと変換されていくプロセスを調整する、インスリンと呼ばれるホルモンの量を調節する事ができなくなり、結果としてこのホルモンの血中濃度が通常よりも増加します。PCOSを発病する原因としては、不健康な食習慣、肥満、運動不足、遺伝などが考えられます。 治療法 PCOSは、耐えがたい不快感や痛みのある症状をもたらしますが、そうした症状が改善できるとして今注目を集めている治療法の一つが、医療用ヘンプに含まれる非精神活性化合物であるカンナビジオール(CBD)の使用です。CBDには、PCOSの症状を即座に緩和する効果が認められています。なお、CBD製品には、効力や濃度、摂取量などによってさまざまなタイプに分かれていますので、多くの症状が現れるPCOSにおいては、こうしたタイプの違いを十分に理解した上で、自分に合った製品と摂取量を決めていく必要があります。 病状が深刻な場合は、必ずCBDを摂取する前に医療機関に相談してください。 CBDがPCOSの症状を改善するメカニズム 抗炎症作用 / 鎮痛作用 カンナビジオール(CBD)には、抗炎症作用と鎮痛作用があり、神経障害性疼痛や炎症性疼痛を大幅に軽減する事ができる治療薬としても認められています。また、この成分は、耐性ができて効き目が薄れてしまったり、精神活性作用などの副作用を引き起こすような事はなく、安全で効果的に激しい痛みを軽減することができるのです。また、カンナビジオールには抗不安作用があるため、不安障害の改善にも用いられています。これらの特性から、CBDはPCOSの多くの症状、特に不眠症と不安の改善に最適だと言えます。 エンドカンナビノイドシステムを正常に保つ ECS(エンドカンナビノイドシステム)は体内のホメオスタシス(生体恒常性を調節するシグナル伝達機構です。ECSは、エンドカンナビノイドと2つのカンナビノイド受容体から成り、生殖機能を含むすべての体内で起こるプロセスの均衡を保つ役割を担っています。研究によると、このECSの機能不全がPCOSを発病する原因の一つであると言われています。カンナビノイドの一種であるCBDは、エンドカンナビノイドと同じ化学構造を持っているため、ECSが正常に働くための手助けをしてくれるのです。つまり、CBDを摂取する事でPCOSの原因となっているECSの機能不全が改善され、治療プロセスを助けることになります。 PCOSの症状改善にCBDを使用するメリット ホリンレイク氏による2005年の研究では、PCOSの女性はストレスを抱えやすく、うつ病を発症しやすいことが明らかになりました。1 こうした点でも、気持ちを落ち着けたり、ストレスを軽減してくれるCBDは大いに効果を発揮します。さらには前述したような痛みや不快感を取り除く鎮痛作用もあるため、PCOS症状改善には最適だといえるでしょう。CBDのECSを正常に機能させるための力を別の言葉を言い換えると、CBDはホルモンバランスを整える、ということになります。 ホルモンバランスの改善は、生理不順を改善し、そしてそれによって妊娠しやすい体になります。さらに、カンナビジオールを摂取することで体脂肪が減少することもわかっており、これはPCOSの発病要因一つである体重増加を止めることにもなります。また、急激な痛みに襲われた時、CBDの最大の特徴である鎮痛作用が急速に痛みを和らげてくれるでしょう。 PCOSがエンドカンナビノイド システム(ECS)与える影響 ECSは、一連の受容体で構成されており、体のほとんどの場所に存在します。消化、痛みの調節、生殖など、ほぼすべての体内で起こるプロセスのバランスを調節しているECSは、自然に放出されるカンナビノイドと受容体が相互作用して化学反応を起こす事で、そのバランス調節機能を恒常的に維持しています。PCOSは、卵巣上に小さな嚢胞ができ、組織的な代謝および内分泌に異常が起こる疾患です。この疾患を患うと、アンドロゲン、インスリンの過剰分泌、高脂血症、無排卵、ニキビ、多毛、副腎過形成、体重増加などの症状が現れます。これだけの多様な症状が現れる理由は、PCOSが、前述したECSの機能を低下させる疾患だからです。 PCOSの症状改善のためにCBDを使用する方法 CBDに高い治療効果がある事はすでに広く認められている事実ですが、個人的な治療のためにCBDを使用する場合は、必ず専門の医療機関に相談してください。理解のある医師であれば、現在の体調、体質、そして病状などを客観的に考慮した上で、最善のCBDの摂取量や使用方法のアドバイスをしてくれるでしょう。 現在CBDには、オイル、ペースト、タブレット、ベイプなど、さまざまなタイプがあります。それらの中で最も広く使われているのは、CBDオイルとCBDペーストですが、長く使っていくことを考えれば、自分が最も使いやすいと感じるタイプのCBDを購入するのがいいのかもしれません。 CBDの摂取量 CBDは、適切に使用すれば非常に高い効果をもたらしてくれるでしょう。しかしながら、天然成分であるCBDの効果の度合いや副作用は人によって、また使用する製品のタイプによって大きく変わる可能性があるので注意が必要です。特に摂取量に関しては、製品やブランドによって推奨している量が違うため、混乱を招いています。そんな時には、CBDオイルのCBD濃度(%)を見てみましょう。 自分の適切な摂取量を知る方法に関しては、ライノフ氏とバーンバウム氏による『CBD:A Patient’s Guide to Medicinal Cannabis』という本で紹介されているステップアップ法がおすすめです。2 摂取量の詳細については、こちらの、CBDの摂取量に関する記事をご覧ください。 PCOSへのCBDの効果を調べた研究 アリソン・ドーソン氏が行った研究によると、CBDによるエンドカンナビノイド受容体を遮断することで、PCOSにかかった女性のアラニンアミノトランスフェラーぜのレベルを低下させました。また、体重減少には因果関係が認められませんでした。3 この実験結果により、CBDがPCOSの症状を改善し、体内のホメオスタシス(生体恒常性)を回復させる力があることが証明されました。実験は、PCOSを患った50人の肥満女性を、CBDを摂取したグループと摂取しないグループに分けて行われ、CBDを摂取したグループでは、PCOSの症状改善が見られました。これにより、CBDがPCOSの治療に有効であることが裏付けられたのです。 また、International Journal of Endocrinologyが行った別の研究でも同様に、CBDのPCOSに対する治療効果が認められる結果が得られました。4 この研究では、20〜53歳の多嚢胞性卵巣症候群の女性173人のグループと、同じ体重・年齢の125人の健康な女性を対象として行われました。その結果は、これまでの研究結果を裏付ける内容となり、CBDがPCOSの治療に有効であることがさらに証明されました。今回紹介した研究では、PCOS治療の分野において非常に希望が持てる結果が得られていますが、万が一のことを考えて、CBDの使用を検討する際には、必ず専門家のアドバイスを受けてください。 参考文献 Dokras, A., Bochner, M., Hollinrake, E., Markham, S., VanVoorhis, B. and Jagasia, D. (2005). […]

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ライム病を改善するCBD: 効果と使用方法

CBDとは、カンナビスから抽出された主な化合物の一つで、カンナビスのネガティヴな作用として知られる向精神作用がありません。いくつかの研究によると、てんかん、炎症、痛み、嘔吐、うつ病、不安、不眠症などの改善に加え、その他さまざまな健康上の利点が期待できる成分だということが明らかになっています。 数年前までは、多くの国でカンナビスの扱いに厳しい規制がかけられていたため、薬効を詳しく研究することすら法に触れてしまうという状態でした。しかし、最近ではカンナビスの安全性や治療効果が認められ始め、より進んだ研究が盛んに行われるようになってきています。 そうした中、ある研究チームによって新たな効果が発見されました。それは、CBDがライム病の治療に役立つというものでした。 本稿では、ライム病について、そしてCBDがどのようにライム病の治療に活かされるのかを詳しく紹介していきます。 ライム病の症状 ボレリアガレニとボレリアアフゼリという細菌は、一度体内に入ってしまうと、自己免疫機能では撃退することが非常に困難です。ですので、自分がライム病かもしれないと思ったら、すぐに医療機関で検査を受けることが重要です。これらの細菌の恐ろしいところは、免疫システムを著しく低下させ、一部の抗生物質に耐性を持つ点です。 以下に示すような症状がみられた場合、ライム病が疑われるので、重症化や後遺症を防ぐためにも直ちに病院を受診しましょう。 軽度の症状 咬まれた皮膚周辺の発疹 全身の痛み 筋肉や関節の動作緩慢 分泌腺の腫れ 頭痛 疲労感 発熱 深刻かつ永続的な症状 重度の関節炎 関節の継続的な痛み 心臓疾患 神経系へのダメージ 末梢神経障害または手足の違和感 髄膜炎 顔面神経麻痺 神経系の変化 うつ病 不安感 混乱 ライム病が重症化すると、絶え間ない痛みや身体機能への障害、うつ病、神経症、不安感など、さまざまな症状を抱えるようになり、快適に日常生活を送ることが困難になります。結果として自殺を選んでしまうライム病の重症患者も中にはおり、この病気のもたらす症状がいかに過酷かこのことからも分かります。 CBD化合物には、抗菌作用、末梢神経障害による痛みの軽減、頭痛や吐き気の抑制、免疫系強化、抗けいれん作用、不安や抑うつのコントロールなど、さまざまな治療効果があります。1 2008年に行われた研究では、CBDを豊富に含む種類のカンナビスを摂取することで、ライム病の原因となる細菌が減少したと報告しました。2 さらには、CBDの抗菌作用が抗生物質に耐性のあるバクテリアに対しても同様の効果を発揮したという結果が得られました。 また、ある患者は、CBDを定期的に吸うことでライム病にによって引き起こされていた発作が抑えられたと体験談で語っています。他にも、CBDを使用することでライム病の症状を軽減できたという患者の証言は、数え切れないほど多く記録されています。 関連記事:CBD摂取ガイド 留意点 医学研究においては、CBD摂取による目立った副作用は報告されていませんが、万が一のために目安を逸脱した過剰摂取は避けるようにしてください。症状改善に効果が現れるまで摂取量を目安の範囲内で少しずつ上げていく限りにおいては安全に使用できるでしょう。 ひとたび体がCBDに順応すると、ライム病の症状が大幅に改善されていく事が実感できるはずです。とはいえ、病気の進行状況によって最適な摂取量は違いますので、医療専門家による的確なアドバイスもらい、CBDを安全でより効果的に利用していく事をおすすめします。 CBDによるライム病の治療効果を調べた研究 CBDは、数年前からその薬効が認知され始めましたが、現在ではこの成分がライム病の治療薬としていかに有効かを証明するために、以下のような研究が行われています。 臨床分析 ライム病にCBDを使用する事への臨床研究は、現時点ではまだ行われていません。しかし、CBDが痛みを軽減するメカニズムについては、いくつかの実験によって実証されています。 また、2013年にはイギリスの研究者によって、がんなどの深刻な疾患による痛みとCBDの関係性を探るための臨床試験が行われました。3 がんによる痛みは非常に強く、痛みの中でも最も耐え難いものの一つであり、化学医薬品では完全に鎮める事が難しいとされていますが、 CBDは、この痛みに対してだけでなく、疲労感や不眠にも効果を示す事がわかりました。また、長期間使用しても副作用はみられず、CBDが重度の末期患者にとって最大の苦しみである痛みを安全で効果的に和らげる事が出来るという事実が実証される結果となりました。 同様に、ライム病で起こる頭痛、片頭痛へのCBD投与実験でも非常に高い効果が現れました。4 また、CBDは神経保護作用もあるため、同じくライム病の症状として起こるけいれん、さらにはてんかんや多発性硬化症にも症状改善の効果が認められました。この場合も同様に、長期の摂取によって耐性が作られ効かなくなるというった結果は見られませんでした。 これらの試験は、ライム病の主症状がCBDによって大きく軽減され、さらにはCBDの代表的な効果である不安や抑うつといった精神的問題も、大幅に改善することを証明するものとなりました。 研究分析 1958年以降、数々の研究によってカンナビスの抗菌作用が明らかになり、2008年にはCBD単一でも同様の効果をもたらす事がわかりました。 そして、CBDの抗炎症作用に関しても、多くの実験と研究が行われ、その効果に疑いを持つ研究者は誰一人としていません。5 こうしたCBDの薬効は非常に早く現れるということもわかっており、また2016年の分析では、CBDが従来の抗うつ剤と非常によく似た作用を持っているということも報告されています。 まとめ 結論として、CBDはこれまでのさまざまな研究や実験の結果が指し示す通り、ライム病に対して非常に高い改善が見込める成分だと言えるでしょう。もちろん、より安全で効果的に医療の現場で使用されるためにはさらなる研究が必要ですが、この化合物によって健康を取り戻したり、病気を治療する事ができたと報告する人々は今後も増えていく事でしょう。 現在では、CBDを多く含む天然のサプリメントをライム病患者に勧める医師もいます。しかし、CBDは体内の細菌を除去して病気を完治させるものではなく、医薬品による抗生物質治療に代わるものではありませんので、あくまで現代医学の治療法を補助する役割としてお使いください。 参考文献 B. van Klingeren […]

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猫のためのCBD:知っておくべきこと

CBDが人の不安やうつ、痛みなどを軽減したり、がん治療に役立つと結論づけた研究が数多くあるという話を、どこかで耳にした人は多いと思いますが、1 2 3 ペットの猫に対してもCBDオイルによる同等の治療効果が得られるということは、実はあまり知られていません。4 近年では、かつてのようなヘンプ製品に対する誤解や良くない印象が払拭されてきているため、猫用のCBDに関心を持つペットオーナーが年々増えています。そうした人たちがまず初めに調べるのは、CBDオイルがどういったメカニズムで猫の健康を改善し、より幸せな生活を支えてくれるのかということです。本稿では、猫向けのCBDオイルについて知っておくべき全情報を紹介いたします。 CBDが猫の健康を改善するメカニズム 猫の身体には、人と同様エンドカンナビノイドシステムが備わっています。これは、エンドカンナビノイドシステムに作用する化合物であるCBDが、猫にも作用する事を意味します。CBDの主な特徴として、日常的な気分や快適さを左右する慢性疾患の治療に役立つ事と、特定の症状を未然に防ぐ予防効果が挙げられます。つまり、CBDはすでに患っている疾患への治療と、病気予防の両方の側面で猫の健康をサポートしてくれるのです。猫にCBDを使用するメリットは、他にもたくさんあります。 痛みと腫れを軽減する 痛みや腫れは、脳内のバニロイドと呼ばれる受容体によって制御されており、人、猫、どちらの脳内にも、この受容体が存在します。CBDが痛みを和らげ、炎症を抑えることができるのは、CBDがこの受容体を主なターゲットとし、5 活性化しないように制御する働きがあるからです。 こうして無力化された受容体は、それ以上患部に痛みや腫れを引き起こす信号を送らなくなり、痛みと腫れが次第に収まっていくのです。 うつと不安を和らげる うつと不安感は、どちらも脳内のホルモンバランスが乱れる事によって起こるとされています。こうした症状に苦しむのは人間だけだと思われがちですが、実は猫も同様に、うつ状態に陥ったり不安を感じたりすることがわかっています。6 人間と猫どちらにも備わっているエンドカンナビノイドシステム(ECS)は、睡眠、食欲、気分を調節する働きを持っています。そのため、このシステムを正常化してくれるCBDを使用することで、猫のホルモンバランスが正常なレベルに戻り、うつ状態や不安感を和らげることができるのです。 また、CBDは猫の脳内にあるセロトニン受容体とアデノシン受容体を刺激し、7 長期的な幸福感をもたらしてくれることが期待できます。さらには、不安やうつだけでなく、恐怖心や不安定な気分を改善することにも役立ちます。 関連記事:ペット向けのCBD 例えば、あなたの猫ちゃんが車に乗るのを嫌がった時にCBDを使用すれば、恐怖心が和らいで安全に移動することができます。また、分離不安症、大きな音への過剰反応、来客への恐れなどを抱える猫ちゃんにも、大きな症状の改善が見込まれます。 猫の不安改善にCBDを使用しても大丈夫? CBDにはいわゆる「ハイ」な状態を引き起こす向精神作用がありません。そのため、安心してペットにお使いいただけます。猫の不安感は、感情的な理由、もしくは生物学的な理由から生まれる言われており、繊細な生き物として有名な猫は、この感情に悩まされがちな動物なのです。 前述した通り、猫も人間と同様にエンドカンナビノイドシステムを持っているため、気分、痛み、炎症、不安、睡眠サイクル、そして全体的な免疫力などを調整するエンドカンナビノイドシステムの機能を増進するCBDオイルは、猫にとっても有益だといえるでしょう。 2016年に行われた研究では、CBDに含まれるカンナビノイドが様々な薬効を持っていると結論づけ、獣医学におけるカンナビノイドの使用への期待が高まりました。このことは、実験室の中だけではなく、実際にペットの動物を対象とした様々なテストでも実証されています。 人向けのCBDと猫向けのCBDはどう違う? 猫用のCBDといっても、実は人用に作られたCBDオイルのパッケージを変えただけじゃないの?と思う人がいるかもしれません。確かに、そうしたことをしているブランドがないとも言い切れません。 しかし、猫用のCBDには、以下の2つの点で成分に決定的な違いがあるため、これは考えにくいでしょう。 テルペンが除去されている 香料が添加されている 1998年にオクラホマ州立大学の動物臨床医学研究所が行った研究によると、一部のCBDオイルに含まれるテルペン類は猫にとって悪影響を及ぼし、場合によっては死に至るほどの強い毒性があることが報告されました。8 この問題に関する研究は現在も行われていますが、現時点では多くのブランドが安全のために、動物用CBD製品からテルペンを完全に除去するプロセスを取り入れています。 また、米国食品医薬品局は、誤って使用されないように人間用の食品や医薬品とペット向けの同様の製品のラベルをはっきりと区別できるような表示にするように厳格な基準を設けています。 CBDオイルには通常、猫が好む特殊な香料が添加されています。これによって、食欲が刺激され、自発的にCBD製品を口に入れてくれるようになります。とはいっても、使用されている香料はCBDの効果に影響を及ぼすものではありません。 人間用と猫用のCBDオイルは同じ原料から作られているため、前述した2点を除けば基本的には同じものです。現在、CBD製品を取り扱うCBDブランドは数多くありますが、標準的な二酸化炭素抽出法で製造された高品質なヒューマン・グレード(人向けと同等の品質を持った製品)のCBDオイルであれば、猫に対しても十分安全に使用できるでしょう。また、標準品質のCBDオイルであっても、基本的には汚染物質が含まれないように厳重な品質管理の下で製造されています。 CBDのベースとなる精油が出来上がると、人間の好みに合わせてテルペンや香料などの補完成分が加えられていきますが、こうした成分の中には、動物にはいい影響を及ぼさないものも含まれている可能性がありますので、まずはどういった成分が添加されているのかを成分表を見て確認しましょう。また、猫の体重によって摂取量も変わるので、動物に適切なCBD摂取量を調べる事も必須です。 米食品医薬品局の設けた基準では、人間向けとペット向けの製品それぞれに、適切な表記をすることが義務付けられており、ラベルには、内容量と数、1回分に含まれるCBDの量、THC含有量、成分表、製造日、有効期限が明確に記されていなければなりません。この表記を見て、キャリアオイルとテルペン以外の添加物が含まれていなければ、猫への使用は問題ないといえるでしょう。 ただ、同じ製品であっても、自分が使用するものとペットが使用するものは、別々に保管する必要があるでしょう。 猫向けのCBDには副作用がある? CBDオイルを猫に使用しても安全? 猫にCBDを与える前に、飼い主はCBDによって生じるリスクや副作用について十分に理解しておく必要があります。これまでに、CBDを猫に使用した事によって深刻が副作用が現れたという報告例はありませんが、CBDを与えた直後、鎮静効果が過度に作用したというケースはまれに見られるようです。 また、胃腸への影響も、こうした製品を使用した場合に起こりやすい副作用の一つです。通常、飼い主がこの異変に気づくのは、CBDを猫の食事に取り入れ出した直後です。こういった副作用を避けるためにも、出来る限り低用量から摂取を始めてください。 関連記事:CBDの副作用 CBDは猫の攻撃性を抑える 猫は、他の動物や他の猫、あるいは他の人に向けて攻撃性を剥き出しにすることがあります。猫の過度な攻撃性を抑えるためにCBDオイルを使用することを検討しているのであれば、攻撃性にはいくつかの段階があることを知っておく必要があります。多くの場合、猫の攻撃性は感情的な仕草、行動、ボディランゲージなどで表出し、甲状腺機能亢進症、てんかん、関節炎、その他の持病がこうした攻撃的な行動を引き起こす場合があると言われています。 猫向けのCBDオイルは、様々な症状による痛みやいら立ちを和らげてくれることが明らかになっており、9 10 さらには、高い鎮静作用と抗炎症作用によって、上記のような持病からくる猫の攻撃性を大幅に抑えることができるでしょう。11 12 腎臓病の猫のための猫用CBDオイル あなたの猫ちゃんが、腎臓病で無気力、嘔吐、食欲不振に陥ってしまっているのであれば、CBDオイルは、そうした症状を改善するの手助けになるかもしれません。ある研究によると、CBDは慢性的な神経障害性疼痛を軽減しながら腎臓病の治療を手助けことがわかっています。通常、猫の急性腎臓病は、早期に発見されれば治療可能と言われていますが、13 進行度によっては治療が困難になるため、適切な治療方法が変わってきます。残念な事に、CBDオイルは腎臓病を根本から治療することはできませんが、症状を軽減することは可能です。 がんの猫のためのCBDオイル あなたの愛猫ががんと診断されてしまい、それがつい最近のことであれば、CBDオイルで改善が見込めるかもしれません。CBDは、身体が腫瘍細胞の成長と拡散を食い止めるサポートをし、さらにがん細胞を直接破壊する力も持っているという、14 希望が持てる研究結果が複数発表されています。15 ただ、飲み合わせの問題や適切な摂取方法などの問題があるため、猫にCBDを与える前には、必ず獣医に相談しましょう。 皮膚病の猫のためのCBDオイル 猫と犬は、同じ種類の皮膚疾患にかかると言われていますが、それは猫が犬と同じリスク因子にさらされているからです。猫の皮膚疾患に伴う症状としては、炎症、かさぶたや淡い斑点などがありますが、CBDオイルには高い抗炎症作用があるため、こうした症状を持つ様々な皮膚疾患の治療に役立ちます。16 […]

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CBDは禁煙に役立つ?

ここ数年の間に、CBDが依存症の改善方法として取り上げられる事が多くなりましたが、実はタバコをやめる手段としても有効だという事が近年の研究で明らかになりました。スイスのスーパーでは「Marijuana Lite」と呼ばれるCBDタバコが販売されており、多くの人が禁煙を成功させるためにこのタバコ型のCBDを摂取しています。 20世期前半から、喫煙はヨーロッパで大きな社会問題として認知されるようになりました。現在も約1億人もの人々が日常的に喫煙しており、欧州連合(EU)では、タバコの消費が最大の死因の一つであると発表しています。WHO(世界保健機関)の調査によると、タバコは死因の中で最も予防可能なものの一つであるにもかかわらず、毎年約600万人が死亡し、50兆ドル以上の経済的損失をもたらしていると報告されています。また、生物医学の専門誌に掲載された研究では、CBDが依存症を治療する事を示唆しています。特に次の章で紹介するイギリスで行われた二つの研究は、CBDが禁煙に大いに役立つ事実を実証するものでした。 CBDが禁煙に役立つ事を示す研究 フリードベルト・ウェイス氏の主導によるCBD研究では、CBDが依存症に対して治療効果を持つという結果が示されました。この研究は、コカインやアルコール中毒のラットを対象としたものでしたが、同じ効果が人でも得られる可能性を提示するには十分な結果でした。長い間研究者たちは、エンドカンナビノイドシステムに影響を与える成分がニコチン中毒の有効な治療法になるという仮説に基づいて研究を重ねてきましたが、それを明らかにするためにjはさらなる調査が必要だとも考えているようです。 また最近では、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)では、CBDの禁煙効果に関する2つの研究が行われました。最初の研究では、12人の喫煙者にCBD吸入器を、別の12人の喫煙者にはプラセボ(偽の)CBD吸入器を渡し、タバコを吸いたくなったときに使用してもらいました。その結果、CBD吸入器を使用した人はタバコの摂取量が40%減少したのに対し、プラセボのCBD吸入器を使用した人には大きな変化はありませんでした。 2つ目の研究は、2018年に同じくイギリスで行われました。このダブルブラインドテスト(被験者がどんな薬を投与するのか一切知らずに行われる治験方法)では、30人のタバコ依存の喫煙者に800mgのCBDかプラセボを経口摂取させた後、タバコを吸っている仕草の絵を見せ、禁断症状、欲求の度合い、心拍数、血圧などを調べました。パーティーや飲み会、友人の喫煙など、日常生活でこのタバコの仕草を目にする事は、依存症を再発する一番の要因とされているため、この時の反応で依存度を計る事ができるのです。結果は大変興味深いものでした。CBDを800mg摂取したグループでは、特に一晩タバコを吸わずにいた被験者のタバコの仕草を見た際に起こる快感が、プラセボグループに比べて軽減しました。 CBDがタバコ依存を抑えるメカニズム 禁煙は、タバコを吸わずにいる状態を保つ事ですが、別の言い方をすれば、習慣を断ち切る事でもあります。それは考えられている以上に難しく、実際にタバコ依存に陥ってしまった人にとっては過酷な試練となります。しかし、そんな試練の道も、電子タバコタイプのCBDがあれば、快適に進めることでしょう。CBDリキッドは、ストレスや不安を解消すると同時に、「吸う」という習慣を断ち切らずにタバコ依存から脱する事ができるのです。また、喫煙者の多くはリラックスしたくて吸い続けてしまうという性質がありますが、CBDは自然に不安を軽減してリラックス効果を与えるので、この点でも大きな効果を発揮するでしょう。 CBDを禁煙に使用する方法 実は、カンナビスを用いて禁煙するという方法は何年も前から行われており、これまでに多くの人がタバコを吸う代わりとしてカンナビスを活用しています。このカンナビスに含まれるTHCやCBDには、不安やストレスを軽減する効果がありますが、陶酔作用をもたらすTHCに関しては、日常的に摂取するのはあまり良い事とされていません。それに対し、CBDにはそうしたネガティヴな影響を与える作用がありません。陶酔作用とは、別の言葉に言い換えるといわゆる「ハイ」という状態のことです。CBDは同じカンナビス内の化合物ですが、こうした状態を引き起こさないため、日常でも、仕事の間にさえも安全に使用する事ができ、さらに様々な治療効果も期待できます。 CBDオイルは、THC含有量が0.3%以下のカンナビスを原料としているため、世界のほとんどの国で安全性の基準をクリアしており、入手も可能です。禁煙には、CBDオイルやクリームタイプ、吸引タイプのVAPEなど、さまざまなタイプのCBD製品が使用できます。これらはオンラインで購入できます。Nordic Oilの製品をお勧めします。 禁煙を成功させるには、食後の散歩や、タバコを吸っていた時間帯にお茶を飲むなどして、タバコを吸う習慣を別の健康的な習慣に置き換えることがポイントです。もちろん、依存対象を変えただけという見方をすれば、タバコをCBDタバコに置き換えることは、長期的な解決策とはいえないかもしれません。しかし、依存から脱する第一ステップとして非常に効果的な方法であることは間違いありません。 この第一ステップの後は、CBDをVAPEで吸引したり、オイル、グミ、チューインガムなどの食用として経口摂取できるCBD製品の使用がおすすめです。また、CBDを毎日摂取してオピオイドやコカイン等の依存性の高い物質をやめられたという研究結果もあります。

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テルペンとは?

テルペンとは、カンナビス(ヘンプ)の中に含まれる有機炭化水素のことで、この植物の花や葉から発される独特の香りは、この成分からきています。実はこの香りは、虫や鹿から身を守るための防御機構なのです。

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緑内障のためのCBD

緑内障は、目の視神経にダメージを与える病気で、目の中の液体である房水が排水されずに溜まる事で起こります。これにより、目の中の圧力が高まり、視神経をいためてしまいます。 近年では、緑内障が幅広い世代で見られる傾向にありますが、特に60歳以上の高齢者が発症しやすいと言われています。緑内障が長く続くと、永久的に失明してしまったり、部分的な視力の低下を招くなどの深刻な後遺症を残すおそれがあるにもかかわらず 、初期には痛みなどの自覚症状を伴わないため、早期治療が難しいと言われています。そのため、こうした視力低下が起こる前に発見できるように、日頃からこまめに眼科を受診することが大切です。 緑内障の兆候と症状 多くの患者が経験する一般的な症状には、両目の視野狭窄、激しい目の痛み、目のかすみ、嘔吐や吐き気、目の充血、そして暗い場所での視力障害などがあります。 緑内障の原因 緑内障は、以下のような要因で発症します。 老齢 人種の違い(ヒスパニック系、東アジア系、アフリカ系アメリカ人は、白人よりも緑内障のリスクが高いとされています。 甲状腺機能低下症 糖尿病 目の疾患 怪我 目の手術 近視 エンドカンナビノイド・システムと緑内障 私たちは皆、体の中に炎症や神経保護に不可欠なエンドカンナビノイドシステムと呼ばれる調節機能を有しており、眼球においては、眼球組織に存在するカンナビノイド受容体CB1が、眼圧を正常にコントロールしています。このことから、多くの研究者は、CBDのようなカンナビノイド系の成分を持つ製品を使用することで、目の健康を保っているエンドカンナビノイドシステムの機能を助ける事で、眼圧が下がり網膜細胞も保護される事を期待しています。 CBDの緑内障への効果を調べた研究 現在、世界中でCBDと緑内障の関連性を調べるための臨床研究や実験が、数多く行われています。その結果、CBDやその他のカンナビス製品が緑内障の治療に役立つ事が徐々に明らかになってきました。 例えば、スコットランドにあるアバディーン大学の教授グループによる研究では、CBDなどのカンナビノイド化合物が緑内障の代表的な症状を大幅に和らげる事が実証されました。これは、カンナビノイドによって眼圧を下げることに成功し、神経保護作用が効果的に働いたことを意味します。1 また、1972年に行われた別の研究では、カンナビスを摂取する事で眼圧が30〜35%低下するという研究結果が報告されました。2 これらの研究は、カンナビノイドを含む製品の摂取によって緑内障の症状を緩和させる事ができる可能性を示唆しています。 1980年代初頭からは、CBDを緑内障治療に有効かを調べる研究が、米国とヨーロッパで盛んに行われるようになりました。3 それらの研究の多くは、CBG、CBD、内因性カンナビノイドなど、その他多くのカンナビノイド化合物を局所的に投与することで眼圧が下がるかどうかを調べるというものでした。その結果、多くのカンナビノイド化合物が効果的に眼圧を下げる働きを持っている事がわかりました。さらに重要な事実として、組織学的研究においてカンナビノイドによる眼圧低下に、CB1受容体が直接作用していた事が明らかになりました。 しかしながら、最新の研究ではカンナビノイドの一つであるCBDは、4 逆に眼圧を引き上げてしまうなど、緑内障の症状をむしろ悪化させる作用も持っているという結果が報告されています。 現在、多くの眼科医が、特に緑内障の中期・後期にある患者にCBD製品の使用を勧めています。CBDは、神経保護作用やカンナビノイドシステムの働きを助ける効果によって緑内障の治療に貢献する事は確かですが、上記の研究の通りメリットだけではないため、今後の研究でこうした不透明な部分が解明されていくことに期待したいものです。 おすすめの記事: 目薬タイプのCBD 参考文献 Tomida, I., Pertwee, R. and Azuara-Blanco, A. (2004). Cannabinoids and glaucoma. British Journal of Ophthalmology, 88(5), pp.708-713. [↩]Tomida, I., Azuara-Blanco, A., House, H., Flint, M., Pertwee, […]

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