スポーツとCBD
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最終更新日 2 11月 2021

スポーツとCBD – はじめに

近年、カンナビスやカンナビスに含まれる化合物がもたらす薬効に注目が集まり、数多くの研究が行われたりするなどしてその知見が世界中で広まってきています。

とある研究によると、19世紀以降、カンナビスを原料とした治療薬は、西洋医学において鎮痛、鎮静、痙攣、喘息、食欲増進、筋弛緩など非常に多くの病気や症状に対して使われてきました。1

今回は、スポーツ選手とCBDに関する記事の第二弾として、怪我のリスクの高いスポーツに携わるスポーツ選手が経験する脳震盪、神経合併症、スポーツによる怪我、疼痛、心血管疾患、筋骨格系疾患などの様々な病気や症状に対するCBDの役割に焦点を当てていきたいと思います。

総合格闘技(MMA)におけるCBD

プロの総合格闘家は、頭や脳にへの重度なダメージを追うリスクと常に隣り合わせですが、損傷が起こった場合は適切な診断と管理、そして何より速やかな対処が欠かせません。『British Journal of Sports Medicine2 に掲載された研究によると、格闘家が試合によって発症する脳震盪への対処とその後の復帰について、格闘スポーツに特化した書面による医学的なコンセンサスはいまだ存在しないとのことです。

そこで本稿では、脳震盪の治療と競技への復帰率に関する文献や研究結果を参照し、さらにCBDがこの疾患への治療法となり得るかを検証していきたいと思います。

総合格闘技とは?

総合格闘技(MMA)は、TVで大々的に放映される格闘スポーツで、比較的新しい格闘技のスタイルです。総合と言われる理由は、この格闘技では打撃、組み技、寝技などの様々な格闘技術を組み合わせたルールの中で行われる事に加え、

ムエタイ、ブラジリアン柔術、ボクシング、キックボクシング、レスリングなど、他の種目のスタイルも取り入れられていることにあります。

さらに、このスポーツの起源は古代のギリシャ、中国、エジプト、インド、日本にまで遡る事ができます。武器は禁止でしたが、その代わりに身体を使ったあらゆる攻撃が許され、かつては噛みつきさえも行われていたといいます。その後、テレビ向けのルールに改定され、洗練されたスポーツとして認知される様になりました。

しかし依然として、脳震盪などの疾患を引き起こすリスクがあり、選手はそれに悩まされています。

コンバットスポーツによって起こる健康リスク

ボクシング、レスリング、フェンシング、総合格闘技などのコンバットスポーツでは、身体を痛めるリスクのある過酷な試合が行われます。そのため、試合中に重度のケガや痛みに見舞われ、試合復帰どころか日常生活が困難になる恐れがあります。

総合格闘技のもたらす健康リスクについての2019年の研究では、慢性外傷性脳症(CTE)に焦点を当てて調査が行われました。CTEは、長年活動を続けたプロボクサーが記憶障害や気分、行動の変化などを訴えた事で初めて発見されました。3 この研究では、CTEが神経精神的後遺症を伴う慢性的な消耗性疾患を患う可能性があるとして、この人気な格闘スポーツの危険性を知らしめました。

2014年に『American Journal of Sports Medicine』に寄稿したカナダの研究者たちは、総合格闘技の選手がプロの試合のほぼ3分の1で外傷性脳損傷を受けていることを明らかにしました。それは、頭、顔、身体の一部に直接鋭いパンチや打撃を加え、頭に伝わる急激な力によって脳震盪を誘発する事が原因だと言われています。

一方で、2018年に発表された研究では、こうした試合で起こる脳震盪は短期間の神経機能の障害であり、自然に解消されるものだと報告されています。4

また、ある研究レビューでは、脳震盪は外傷による一過性の脳機能の問題であり、複雑な病態生理学的プロセスを伴うと結論づけています。5 脳震盪は軽度外傷性脳損傷(MTBI)の類に属しているので、一般的には自己限定的であり、脳損傷としては重症度が低いと言われています。

格闘スポーツ選手が直面するその他の病状としては、反復性頭部外傷、持続性頭痛、認知障害、学習・記憶の障害、情報処理速度の障害、計画・整理・推論・判断などの前頭葉実行機能の障害、抑うつ症状、無気力、過敏症、自殺願望などの気分の変化、高齢での認知症などと多岐にわたります。

脳震盪とCBDの関係

2019年の臨床試験報告では、脳震盪治療に効果のある医薬品は存在しないと断言しており、それはつまり、脳震盪で救急外来を受診すると、基本的には家に帰って休むようにと言われ、イブプロフェンを処方するだけ、といった対応が許されることを意味します。

これまで、脳震盪がいかに選手たちに深刻なダメージを与えるかを説明してきましたが、これらの内容を踏まえると臨床試験報告がいかにこの疾患を軽視しているかがわかります。実際には、その他のスポーツによる怪我の中でも脳震盪は特に適切な基準による診断と評価が不可欠な疾患であるといえるでしょう。

スポーツでの脳震盪の研究では、特定のスポーツ、あるいはポジションや個人のプレースタイルの違いで起こる怪我が脳震盪を引き起こすリスクが極めて高く、5

また、若い選手は回復までより長い期間を要する可能性があり、深刻な傷害につながる脳震盪の影響を受けやすいと報告しています。 

2019年から行われている臨床試験では、CBDとデキサナビノールを組み合わせた錠剤を5年間使用する事で、これらの成分が脳の炎症を抑えるという仮説を実証しようとしています。

この臨床試験は、以下のような領域を対象として行われています。

別の報告書でまとめられているカンナビジオールの作用機序は以下の通りです。

  • CB1およびCB2受容体作動薬のアンタゴニスト(拮抗剤)であり、それによって炎症を抑制する
  • アデノシンの再取り込みを阻害してシグナル伝達を強化することにより抗炎症作用をもたらす
  • セロトニン受容体を活性化脳の血流を増大させる
  • NMDA受容体に拮抗し、有害なフリーラジカルを除去することで、抗酸化作用をもたらす

以上のことから、外傷性脳損傷を受けた後にCBDなどのカンナビノイドを摂取する事で、炎症細胞の活性化が抑えられ、気分の改善、脳震盪の症状の軽減などが期待できると考えられます。

NBA選手にもたらすCBDの効果

全米プロバスケットボール協会(NBA)は、世界で最も人気のあるアメリカの男子プロバスケットボールリーグですが、

NBAの選手も他のスポーツ選手と同様に、病的な状態に陥りやすいと言われています。

筋骨格に特化した学術医療センターは、バスケットボールが「コンタクトスポーツの中で最も負傷率の高いスポーツの一つである」と発表しています。膝、足首、足などの下半身のケガを除いた、男女ともによく起こる怪我は以下のようなものがあります。

これらの怪我には、慢性的な痛みと、日常生活に支障をきたすような炎症や不快感を伴うという共通点があります。

2015年の研究では、CBDの投与が骨折の治癒に役立つかどうかの調査が行われました。6

この研究を主導したヤンケル・ガベット博士はカンナビスの薬効について次のように述べています。「私たちの身体にはエンドカンナビノイドシステムという、体内の重要な機構とそうでない機構の両方を調整する素晴らしいシステムが備わっています。私たちの身体がカンナビスに反応するのは、カンナビスの化合物によって活性化される固有の化合物と受容体が、すでに体内に存在しているからなのです」

この研究では、以下のような重要な事実が明らかになりました。

  • 骨格はカンナビノイドによって制御されており、脳の周囲で向精神性を持たない化合物が作用し、骨格を調節している可能性がある
  • CBD単体の使用でも、治癒の過程で骨が強くなり、骨組織の新たなミネラル化の基礎となるコラーゲンマトリックスの成熟が促され、治癒後も治った箇所が頑丈で折れにくくなる
  • 治癒後も治った箇所が頑丈で折れにくくなるその結果、CBD単独でも十分な刺激を与える事ができ、高い治療効果が得られることがわかった
  • その他の研究でも、CBDは治療薬として活用する上で、極めて安全な成分であることが示されており、骨折を治療する上でより安全で効果的な治療法であることを完全に実証するために、こうした研究や実験を臨床的に継続して行なっていくべきである

本稿では、以上の内容をまとめるにあたって、CBDの疼痛管理炎症、脳震盪への効果を強調するいくつかの研究を参照しました。

また、当サイトは、様々な病状へのCBDの使用に関する研究データを用いて、確かな情報を共有することを目的としています。

ゴルファーのためのCBD

研究によると、ゴルフは中強度の運動というカテゴリに属し、心血管、呼吸器、代謝プロファイルの改善、健康改善など、様々な面で健康にいいとされているスポーツだとされています。7

ゴルフと健康やメカニズムとの関連性を調べたとある調査では、ゴルフをしているときの年間の怪我の発生率は中程度で、怪我の深刻度も他のスポーツに比べて低いことがわかっています。しかしながら、皮膚が長期間日光にさらされるので、皮膚がんや皮膚関連疾患の原因となることが指摘されています。

このように、いくつかの研究ではゴルファーの健康上のメリットと問題点が報告されていますが、その度合いは年齢、性別、体力、体調、ライフスタイルなどによって大きく異なります。

参考資料によれば、8 ゴルフ選手が負いやすい怪我は以下の通りです。

  • スイングが原因で起こる腰の怪我:スイングの種類が多かったり、練習不足や練習のしすぎが原因となることがあります。
  • 手首と手の怪我
  • 肘の怪我
  • 肩の怪我
  • 膝の怪我
  • ゴルフボールやクラブが頭や目に当たる事による怪我
  • 落雷、日焼け、皮膚がんなどの環境要因で起こる疾患

本章では、痛み、炎症、免疫低下などの健康状態をCBDがどのように機能して治療に貢献するのかを紹介しています。

皮膚に関する症状に関しては、皮膚科学の分野でCBDの重要性を示した研究が多数あり、前臨床研究において,9 皮膚疾患に対するカンナビノイドの治療適用の可能性が示唆されたという研究結果があります。しかし未だ明らかになっていない側面もあるため、カンナビノイドの皮膚疾患に対する安全性と有効性が実証されるには、さらなる研究が必要となっていくでしょう。

ボクサーのためのCBD

ボクシングは、プロボクサーが受ける損傷の性質上、コンバットスポーツに分類されます。研究によると、10 ほとんどの負傷は頭部、顔面の裂傷や打撲で、次いで手や指となっています。さらには、脳震盪や骨折などの重傷はそれほど多く報告されていないと報告しています。

これに対し、ボクシングによる頭部の損傷に着目した別の研究では、11 ボクシングによる頭部損傷には臨床症状にばらつきがあるため、脳震盪などの発生率は依然として不明であると言及しています。また、ボクシングにおける多発脳震盪の有病率と、それに関連する神経細胞の損傷レベルは、受ける打撃の数に比例して上ることがわかっています。

脳震盪の管理におけるCBDの適用性については、すでに「総合格闘技(MMA)におけるCBD」という章で詳しく説明しています。

サッカー選手のためのCBD

ある調査によると、サッカー選手によく見られる怪我には、ACLやPCLなどの外傷性膝関節の損傷、肩鎖関節(ACJ)の怪我、脳震盪、酷使することによる腰や背中の痛み、膝蓋腱炎(膝の痛み)、炎天下に長くいることによる熱中症や疲労、過剰な発汗による塩分不足、脱水症状などがあります。

全国フットボールリーグ選手協会(NFLPA)では、選手の疼痛管理にオピオイドではなく、医療用カンナビスを使用するための研究を続けています。

まとめ

現在、クリスタル、グミ、VAPE、オイル、クリームなど様々なタイプで親しまれているカンナビス由来の製品は、その高い治療効果から医療への応用が期待されており、多くの研究データがその安全性とあらゆる疾患への薬効を認めています。そして、すでにこうした製品を日常生活に取り入れているユーザーは現に様々な面で健康的な利点を実感しています。

2018年に行われた研究では、12 負傷リスクの高いスポーツに従事する人ほどカンナビス由来の製品に関心が高く、そのほとんどが痛みや脳震盪の管理のためにこうした製品を活用していると報告されています。また、この研究論文の最後は、CBDが怪我、痛み、その他の病状に対して最善の効果をもたらすためには、より具体的で焦点を絞った研究が必要だという一言で締め括られています。

こうした研究からわかる通り、医療用カンナビスに対する関心の高さと重要性は疑いようのないもので、様々な学問分野や保険業界などから多くの注目を集めています。近い将来、慢性的な病状に苦しむ人々にとって、CBDがより身近なものになっていくことは間違いないでしょう。

参考文献

  1. Kennedy, Michael. (2017). Cannabis: Exercise performance and sport. A systematic review Journal of Science and Medicine in Sport. 20. 10.1016/j.jsams.2017.03.012 []
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  3. Lim, Lucas J H et al. “Dangers of Mixed Martial Arts in the Development of Chronic Traumatic Encephalopathy.” International journal of environmental research and public health vol. 16,2 254. 17 Jan. 2019, doi:10.3390/ijerph16020254 []
  4. Neidecker J, Sethi NK, Taylor R, et al Concussion management in combat sports: consensus statement from the Association of Ringside Physicians British Journal of Sports Medicine 2019;53:328-333 []
  5. Harmon, Kimberly G et al. “American Medical Society for Sports Medicine position statement: concussion in sport.” British journal of sports medicine vol. 47,1 (2013): 15-26. doi:10.1136/bjsports-2012-091941 [] []
  6. American Friends of Tel Aviv University. “No bones about it: Cannabis may be used to treat fractures: Tel Aviv University researcher finds non-psychotropic compound in marijuana can help heal bone fissures.” ScienceDaily. ScienceDaily, 16 July 2015 []
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  8. McHardy, Andrew & Pollard, Henry & Luo, Kehui. (2006). Golf injuries: a review of the literature Sports medicine (Auckland, N.Z.). 36. 171-87 []
  9. Eagleston, L. R, Kalani, N. K, Patel, R. R, Flaten, H. K, Dunnick, C. A, & Dellavalle, R. P. (2018). Cannabinoids in dermatology: a scoping review. Dermatology Online Journal, 24(6) Retrieved from  https://escholarship.org/uc/item/7pn8c0sb []
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  11. Jayarao, Mayur & Chin, Lawrence & Cantu, Robert. (2010). Boxing-Related Head Injuries. The Physician and sports medicine. 38. 18-26. 10.3810/psm.2010.10.1804 []
  12. Ware, Mark A et al. “Cannabis and the Health and Performance of the Elite Athlete.” Clinical journal of sports medicine: official journal of the Canadian Academy of Sport Medicine vol. 28,5 (2018): 480-484 doi:10.1097/JSM.0000000000000650 []

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CBDの専門家 | 記事を読む

メディア業界での経験を積んできたAnooはカンナビスと健康の関わりについて書くことに情熱を注ぎ、日常生活への健康習慣の取り入れ方を人々にアドバイスしています。世界各国へ旅した経験を持つAnooは忙しい生活の中でもクルクミン入りのCBDオイルを使い生活の中にバランスとリラクゼーションを両立しています。

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